燃費を事前にシミュレーションすることにより検証コストと期間を削減

顧客 : 完成車メーカー様

概要

燃費計測のテストコースをシミュレーション上で再現しMATLAB-Aimulinkと連結

先進運転支援システム (ADAS)自動運転 (AD) のアルゴリズムには、燃費向上やCO2排出量削減の観点から、安定した走行燃費を達成することが求められます。一方、アルゴリズムの効果検証には実道路走行を通じた実勢燃費の計測が必要となるため、時間や費用が必要となります。そこで検証コストと期間の削減に向けて、他車両の流入、信号前の混雑や規制車線による一時的な渋滞などを交通流シミュレータPTV Vissim上で再現し、MATLAB-Simulink環境と連結しすることで、実勢燃費計算が可能なテストコースをシミュレーション上に構築しました。実道路走行テストの前段階としてシミュレーション上でアルゴリズムの強み・弱みを把握することができ、手戻りの防止や期間の短縮につなげることができます。

ソリューション

ポイント1. テストエリアを選定し入力データを取得

燃費を精度よくシミュレートするためには、シミュレーション上に道路や交通流の特徴をしっかり反映させる必要があります。下記のような様々な方法で、シミュレーションに反映させるためのデータを収集しました。

  • 航空写真から抽出した、道路形状や車線数の情報
  • 車載カメラで取得した、混雑状況や信号種別の情報
  • 各種公開データから抽出した、車両発生台数や道路勾配の情報

ポイント2. 交通流シミュレータ PTV Vissim でテストコースを再現

取得したデータを交通流シミュレーション上に反映させ、実計測と比較可能な高精度のテストコースを再現しました。地図から読み取れる道路形状に加えて、20以上の幹線および支線道路、100か所以上の交差点をモデル化しました。特に、実計測時の運転操作に対する影響の大きい、他の車両の流入状況の再現(信号前の混雑、規制車線による一時的な渋滞など)を重視しました。

ポイント3. シミュレーションと実走行データを比較検証

Vissim上でシミュレーションした場合の「完走時間」「平均車速」「停止回数」などの各種評価指標を実際の走行データの結果と比較することで、検証を行いました。

学会誌掲載

本事例に関連する内容を論文として発表しています。

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