お客様の抱える問題点とOR部による解決

1隻に6,000台もある自動車の荷積み荷卸し計画を短時間で作成したい →  積付支援システムの構築

当時お客様は、1日に何隻もある貨物船の荷積み荷卸し計画を手作業で作成されていました。
また、顧客からの予約変更要望に対応するため、途中で計画を見なすという作業も発生しており、 とても作業負担の高い業務でした。そのため、積付計画のミスが発生することもありました。
そこで私たちは、手作業によるミスを防ぎ、且つ現状よりも短時間で積載効率のよい積付計画を算出できるシステムを構築。お客様の日々の業務に使って頂いております。

計画作成者による積載効率の差をなくしたい →  最適自動積付アルゴリズムにより、積載台数が増加

積付計画を行う作業員は1人ではないため、作業員によって出来上がる積付計画にはバラツキが発生します。
それを防ぐため、ベテラン担当者のノウハウをシステムに組み込むことで、誰が作成しても積載効率のよい 積付計画を作成することができるようになりました。

解決までの手順

業務プロセスと理想的な積付結果のヒアリング

積付計画を立てるにあたっては、ブッキングと呼ばれる輸送対象の自動車台数や諸元情報が、 いつどのように入手可能なのかということや、積付計画を立てた後に積付現場にどのような手段で 指示を出すのかということも、システムを開発するにあたってはとても重要なことです。
同時に、お客様の抱える問題点を解決するために、理想的な積付計画は何か、どのような思考手順で積付計画を作成しているか等、ベテラン担当者からヒアリングを行いました。

積付アルゴリズムの開発と検証

ヒアリングの結果をシステムに落とし込むため、システム設計を行ったのち、 アルゴリズムの開発に着手しました。
アルゴリズムにはローカルサーチを基本としたヒューリスティック手法(*)を採用しています。
自動車船積付支援システムでは、計画の度に積付対象となる自動車の台数や諸元が異なります。
そのため、より多くのテーマで理想的な結果を得られることを確認するために、十分な時間をかけて結果の妥当性の検証作業を行いました。
また同時に、日々の計画業務で必要となるブッキング情報の読み込み機能や積付計画の印刷機能など 運用システムとしての設計と開発を行いました。
*試行錯誤的に解を求めていく手法。ある程度の精度の解を比較的短時間で得られることが特徴。

運用支援

自動車船積付支援システムは年間数百万台の自動車の積付計画を作成するために日々利用されています。
そのため、常にシステムが稼働できるよう万全の備えが必要です。
弊社ではサポート契約に基づいてシステムの運用を常時支援しています。

  • 貨物席割システムとして特許申請済