水素・アンモニア導入によるCO2排出量とコストの評価

顧客 : 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)様

概要

日本の「第6次エネルギー基本計画」では2030年度の電源構成の1%程度を水素・アンモニアで賄うことが宣言されるなど、水素・アンモニアが電力供給の一翼も担うエネルギーとして注目されています。また、欧州大陸、英国や米国で水素製造が一気に加速するなど世界的にも水素のエネルギー需要が高まっています。
本事例では、水素エネルギーを国内の電力システムに組み込んだ際の影響を検証すべく、有識者の監修のもと、技術面、ニーズ面から調査およびシミュレーションを行いました。それらの取り組みをまとめた報告書は一般に公開されています。

実施事項1

国内外における技術開発動向の調査

国内外の文献調査とエネルギー事業者複数社へのヒアリングを行い、国内外における技術開発動向を分析しました。

海外の文献調査では主に米国、欧州大陸、英国の公的機関や研究機関の資料に基づき、先進的な取り組みや解析モデル開発の事例、データ整備の状況、政策制度との関連などについて調査しました。

国内の文献調査は主に学術文献を対象とし、研究機関や大学で進められている解析モデルの開発について調査しました。

またニーズ調査として国内のエネルギー事業者複数社へのヒアリングを行い、日本の電力・エネルギーシステムの将来像の検討において、シミュレーションなどによる定量的な予測と評価が求められていることを明らかにしました。

実施事項2

シミュレーションによる定量評価

将来の日本を想定した電力需給シミュレーションを行い、水素・アンモニア導入によるCO2排出量削減効果やコスト増大などの影響を見積もりました。

シミュレーションでは2050年の日本全国を想定し、1年間の電力需給状況を1時間の粒度で模擬しました。シミュレーション結果から日々の発電に使用される水素の量や、余剰電力を活用して生成できる水素の量を算出し、必要な備蓄設備の規模とコストを推定しました。複数のシナリオについてシミュレーションを行い、比較を実施しています。

シミュレーションのイメージ

公開資料等

調査検討の結果は有識者の監修のもとで取りまとめ、NEDO成果報告書データベースにて公開されています。

  • NEDO戦略策定調査事業P99029 『水素エネルギー等と電力システムとの統合解析技術に係る調査』(2023)

以下は、構造計画研究所が受託した関連事業です。

  • NEDO戦略策定調査事業P99029 『再生可能エネルギーの主力電源化に資する電力システム統合解析技術に係る調査』(2021)
  • NEDO戦略策定調査事業P99029『市場・需要家等を考慮した電力システムの需給解析に係る国内外動向調査及び技術開発の方向性・ 要件の検討』 (2017)

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